ベンツの売れ行きにみる経済格差

ベンツがカローラよる売れているところがあるって本当?

富の偏在~超高級車が集中するエリア

アストンマーチン

ここ数年、港区内でやたらによく見かけるのが、イギリスの超高級スポーツカーであり、ボンドカーとして有名なアストンマーティンだ。

かつては幻の超高級車で、あまりの信頼度の低さから、日本では007映画でしか見られないほどだったが、フォード傘下に入ってから急速に品質が改善。

いま全世界を席巻しつつある伝統の高級車である。


チャイルドシート装着のアストンマーチン


そんなアストンのDB9(約2000万円)が、西麻布ではチャイルドシートを装着され、ご近所の足として使われていたりする。

港区のアストンマーティン登録台数は95台。

これも一見少ないように思うが、実はこの数、日本国内のアストンマーティン644台の約15%を占めるのだ。

最近ではアストンはヒルズ族などの富裕層の間で人気が上向き、販売台数が倍々ゲームで急拡大したおかげで、特に港区の集中度が高くなっている。

ちなみに23区内トータルだと306台。

国内のアストンのおよそ半分は東京23区にある。

ダイムラーペンツ社の超高級車・マイバッハ(ペンツのさらに上級サルーン)も、19台が港区に所有されている。

日本全体で94台しか存在していないので、20%が集結していることになる。

これぞ富の偏在だ。

一方、「カローラ対ベンツ比」でベンツの割合が一番低いのは、給食費未払い問題や中学生の学力23区内最下位などでニュースに取り上げられることも多い足立区。

23区の平均値を大幅に下回る「カローラ100台に対してベンツ41台」。これは全国の平均値(23台)に近い台数である。


目黒通りで調査してみた


こうして「世田谷・目黒あたりではベンツ保有台数はカローラの2倍以上」といったことが導き出されたわけだが、現実はどうなのかということで、東京都目里区の目黒通りにて、カローラとベンツの台数をカウントしてみた。

調査隊が陣取ったのは、世田谷区に近い目黒区内の歩道橋上。

ここである日の午後2時から3時までの1時間、上下線を走るカローラとベンツをカウントしたところ、カローラの通過台数46台に対してメルセデス・ペンツが116台。

その比率を計算してみると、驚くことに目黒区の「推論」とほぼ同じ、カローラ100台に対してベンツが252台だった。

通過したカローラは新しい年式のものが大半だったが、メルセデス・ベンツは古い年式のモデルも多く見られた。

ペンツならではの耐久性の高さが、ペンツの保有台数を押し上げていることも同時に検証できた。

カローラの5倍以上のメルセデス・ペンツが棲息していると見られる港区では、ベンツを売るのも他エリアと比較して簡単なのだろうか。


月に100台のベンツを売るディーラー


港区の芝浦にショールームを持つ株式会社ヤナセ東京支店の営業マン、Sさんに聞いた。

―ペンツ、パンパン売れますか?

Sさん「(苦笑)そういったことはありません。
確かにメルセデスは港区ではよく売れますが、他のディーラーさんや並行輸入車などもありますから、努力はしています。
苦労せずにポンと売れることなんて、全体の1割もあればラッキーですよ」

―それでも港区は他の地域よりも売りやすいのでは?

Sさん「確かに、港区で登録されるクルマの半分は輸入車で、そのうちの半分はメルセデスっていう話があります。
その通りかどうかはわかりませんが、現場の皮膚感覚としては当たってるかなと感じますね。
港区や千代田区のように企業がたくさん集まっているところでは、メルセデスの法人需要が多いんですよ」

―芝浦だけで年間何台ぐらいのベンツが売れるのでしょう?

Sさん「約1500台ですね。時期によってバラツキはありますが、確実に月に100台はご購入いただいてます」

S氏の話す「港区では半分が輸入車、その半分がベンツ説」を、保有台数で算出するとこうなる。

港区の乗用車保有台数 59641台
うち輸入車      25017台(42%)
うちベンツ        8862台(35%)

まさに、当たらずとも遠からずだ。