ベンツの売れ行きにみる経済格差

ベンツがカローラよる売れているところがあるって本当?

納車はセールスマンにとって最大のイベント

花束

セールスマンにとって、達成感をもてる瞬間は、商談成立のときかもしれない。

しかし、もっとも満ち足りる瞬間は、客に新車を届ける納車のときだという。

「営業という仕事において納車は一番のイベントであり、セレモニーです。
本来であれば、納車費用をいただいているのですから、メルセデスを搬送用のトラックに乗せて、お届けしたい。

なのに、実際はお客さまの財産を減らしながら走って来ているから、なんとも気がひけます。

ですからせめて、お客さまには、気持ち良くセレモニーに出ていただこうと思っているんです」


セレモニーを盛り上げるサービス


納車は、嬉しく晴れがましい瞬間かもしれないが、もっとも緊張する場面でもある。

「お客さまにお届けする新車に、小さいキズや汚れでもあれば、みんな台なし。そこには、非常に神経を使います。

でも、お客さまが、磨き込まれて輝くメルセデスを目の前にして、満足そうな表情を浮かべていたりすると、不安も一気に吹き飛びます。

そんな笑顔を見るために、セールスをしているといっても、過言ではありません。

常に、しっかりやらねばと思えてくるんです」

ベンツの顧客は、妻や恋人へのプレゼントにすることが多い。

「せっかくの贈り物なのだから、営業マンとしてはなにもしない手はありません。

そんなときは、メルセデスに花束をつけてお渡しします。私のほんの少しの気持ちです。

それで、皆さまが満ち足りた気持ちになってくださるのなら、多少の負担などなんとも思わないし、私も幸せにひたれるのです」


リピーター客の「お任せ」に応える

客から2台目の指名を受けるのは、至上の喜だと語る。

リピーター客のオーダーで多いのは”お任せ”である。

「1千万円以上のものを、”お任せ”させてもらうのですから、その期待に応えなければならないという緊張感もあります。

それ以上に、私にとってとても嬉しい言葉。

なにしろ、”お任せ”とおっしゃるお客さまがイメージしている以上のものを提供する、絶好のチャンスだからです」

普通ならば、パソコンを開いて過去のデータを見る。

しかし、データよりも、物を作っている現場や人と接して判断していく”現地現物”である。

顧客と会い、そしてコミュニケーションを通して、客の要望を探っていくという。

「メルセデスのサービスは、あくまで、カスタマイズされたものであって、マニュアルや数字では、きめ細かく対応できないものです。

”任せる”と、お客さまから言われた場合、とにかく、わずかな時間でもお客さまにお会いして、どんなことをお考えか、推測します。

奥さまがお使いになるセカンドカーなのか、お子さんができたから大きいサイズなのか……。

色は、内装は、好みは……」

さらに、ドレスアップやカスタマイジングして納車することも多いという。

この”お任せ”は、それまで築いてきた信頼関係があるからこそ。

さらに、その期待に応えていくことで、より客との絆は強くなる。

「お客さまの情報すべてを考慮して、期待以上のメルセデスをお届けするのです。

任せられたら、その期待は裏切れません。

その上お客さまが満足なされば、次のセールスの可能性もまた、間違いのないものになるのです」


相手の不安や疑問を払拭する

客がこれから買おうとしている車になにを求めるか。

それを的確に把握し、提供することが、大切だとベンツのセールスマンは考えている。

「メルセデスのセールスマンの仕事は、不安や疑問に思っていることを、的確に、スピーディーに、よどみなく、納得してもらえるように答えていく。

それがセールスマンの役目なのです」

セールスマンに求められるものは何でしょう? 

「特にご年配の方や女性は、持っている不安や疑問がなかなか言葉として出てこないものです。

ならば心を読む。言いたいことを的確に読んでいく。そのような力が求められます。

超能力者ではないのですが、お客さまのほうを常に向いて接していれば、

要望、要求、期待が、ある程度見えてくるものです」

車種、ボディーカラー、内装、プラスしてどんなサービスを提供すればいいか……。

その判断がつけば、たしかに商談はスムーズだ。

接客時、セールスマンは神経を集中して、相手の心のサインを読み取ろうとしているのだ。